AI時代の在り方2026-01-177分で読める

ChatGPTの活用で経営が変わらない理由──「使う」と「前提にする」の決定的な違い

ChatGPTを活用しよう。 そう思ってアカウントを作った。

議事録の要約をさせてみた。 メールの下書きを書かせてみた。 市場調査の概要をまとめさせてみた。

便利だとは思う。

でも、正直なところ 「経営が変わった」という実感はない。

「AIを活用している」と言えば言える。 でも本質的に何かが変わったかと問われると、 答えに詰まる。

ChatGPTを使っているのに 経営が変わらない。

その理由は、 使い方ではなく前提にあります。

ChatGPTの活用には 二つの段階がある。

「使う」と「前提にする」。

「使う」とは、 既存の業務にChatGPTを足すこと。

議事録の要約を頼む。 メールの下書きを頼む。 アイデア出しを手伝ってもらう。

便利にはなるが、 経営の構造は変わらない。

「前提にする」とは、 ChatGPTがある世界で 業務を設計し直すこと。

読み書きそろばん、そしてAI。

電卓が登場したとき、 暗算が速い人の価値は下がった。 代わりに「何を計算するか」を 考える力の価値が上がった。

今、同じことがAIで起きている。

「文章を書く」「情報を集める」「分析する」 ──これらの価値は下がっている。

代わりに上がっているのは、 「何を判断するか」「どう方向づけるか」 という経営者本来の仕事の価値。

ChatGPTを「前提にする」とは、 この構造変化に経営を合わせること。

五次元経営ではこれを 「AIネイティブ化」と呼んでいます。

  • ChatGPT活用には「使う」と「前提にする」の二段階がある
  • 「使う」は便利になるが経営の構造は変わらない
  • 「前提にする」は業務を設計し直すこと
  • 読み書きそろばん、そしてAI──第四の基礎教養
  • AIネイティブ化は経営者の判断と方向づけに集中する構造をつくる

ChatGPTの「もったいない使い方」3パターン

多くの企業がChatGPTを導入しています。 でも、活用が「もったいない」段階で 止まっているケースが多い。

パターン1:雑用係として使う。

「この文章を要約して」 「この英語を翻訳して」 「誤字脱字をチェックして」

これは便利だが、 アルバイトにできることをAIにやらせているだけ。 経営は何も変わらない。

パターン2:検索エンジンの代わりに使う。

「○○について教えて」 「○○のトレンドは?」

Google検索の延長。 回答の質は上がるかもしれないが、 やっていることは変わらない。

パターン3:アイデア出しの壁打ち相手として使う。

「新規事業のアイデアを10個出して」 「このサービスの改善点を挙げて」

これは少し進んでいるが、 出てきたアイデアを判断するのは結局人間。

3つとも共通しているのは、 既存の業務プロセスの中に ChatGPTを「足している」こと。

プロセス自体は変わっていない。

ここに、限界があります。

「前提にする」とはどういうことか

ChatGPTを経営の前提にする。 これは具体的に何を意味するか。

例を一つ。

従来のレポート作成プロセス。

部門がデータを集める → Excelで整理する → PowerPointに落とす → 上司が確認する → 修正する → 経営者に提出する。

この工程に2日かかっていた。

ChatGPTを「足す」場合。

部門がデータを集める → ChatGPTで分析させる → PowerPointに落とす → 上司が確認する → 修正する → 経営者に提出する。

分析の部分は速くなる。 でもプロセスは変わらない。

ChatGPTを「前提にする」場合。

データはダッシュボードから自動取得 → AIがレポートを自動生成 → 経営者は判断ポイントだけ確認する。

プロセスが消える。

2日かかっていたものが30分になる。

これが「前提にする」ということ。

単に速くなるのではなく、 やり方そのものが変わる。

経営者は情報収集や資料作成から解放され、 「判断」だけに集中できる。

判断だけに集中できる経営者は、 判断の質が上がる。

判断の質が上がれば、 経営の結果が変わる。

これがAIネイティブ化の構造です。

ChatGPTとClaude Codeの使い分け

AIを経営の前提にするとき、 一つのツールですべてをカバーする必要はない。

ChatGPTとClaude Codeは 得意分野が異なります。

ChatGPTが得意なこと。

会話形式の壁打ち。 文章の生成と編集。 多言語対応。 画像の生成と分析。

日常的なコミュニケーションの延長で 使えるのがChatGPTの強み。

Claude Codeが得意なこと。

長文の構造化された分析。 コードの生成と実行。 ファイル操作やシステム構築。

「こういうものがほしい」と伝えると、 実際に動くものをつくってくれる。

経営の文脈で言えば──

ChatGPTは「考える」のパートナー。 Claude Codeは「つくる」のパートナー。

アイデアを練るときはChatGPT。 それを形にするときはClaude Code。

この使い分けができると、 「思いついたこと」が 「動くもの」に変わるまでの距離が 劇的に縮まります。

経営者の頭の中にある構想が、 直接、形になる世界。

それがAIネイティブ化の 目指すところです。

ChatGPT活用の現在地を観察する

  1. 直近1週間のChatGPT利用を振り返り、何に使ったかリストアップする
  2. それぞれが「使う」と「前提にする」のどちらに当たるか分類する
  3. 「前提にする」に変えられそうな業務を一つ選ぶ
  4. その業務のプロセス自体をAI前提で設計し直してみる

ChatGPTは、 すでにあなたの手元にある。

問題は「使えているか」ではなく、 「前提にしているか」。

業務を足し算するのか。 業務を設計し直すのか。

この違いが、 経営の未来を分けます。

あなたのChatGPTは今、 ツールですか。 それとも前提ですか。

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ChatGPTの「使う」から「前提にする」へ。 AIネイティブ化の具体的な進め方を 解説しています。

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