ChatGPTを活用しよう。 そう思ってアカウントを作った。
議事録の要約をさせてみた。 メールの下書きを書かせてみた。 市場調査の概要をまとめさせてみた。
便利だとは思う。
でも、正直なところ 「経営が変わった」という実感はない。
「AIを活用している」と言えば言える。 でも本質的に何かが変わったかと問われると、 答えに詰まる。
ChatGPTを使っているのに 経営が変わらない。
その理由は、 使い方ではなく前提にあります。
ChatGPTの活用には 二つの段階がある。
「使う」と「前提にする」。
「使う」とは、 既存の業務にChatGPTを足すこと。
議事録の要約を頼む。 メールの下書きを頼む。 アイデア出しを手伝ってもらう。
便利にはなるが、 経営の構造は変わらない。
「前提にする」とは、 ChatGPTがある世界で 業務を設計し直すこと。
読み書きそろばん、そしてAI。
電卓が登場したとき、 暗算が速い人の価値は下がった。 代わりに「何を計算するか」を 考える力の価値が上がった。
今、同じことがAIで起きている。
「文章を書く」「情報を集める」「分析する」 ──これらの価値は下がっている。
代わりに上がっているのは、 「何を判断するか」「どう方向づけるか」 という経営者本来の仕事の価値。
ChatGPTを「前提にする」とは、 この構造変化に経営を合わせること。
五次元経営ではこれを 「AIネイティブ化」と呼んでいます。
- ChatGPT活用には「使う」と「前提にする」の二段階がある
- 「使う」は便利になるが経営の構造は変わらない
- 「前提にする」は業務を設計し直すこと
- 読み書きそろばん、そしてAI──第四の基礎教養
- AIネイティブ化は経営者の判断と方向づけに集中する構造をつくる
ChatGPTの「もったいない使い方」3パターン
多くの企業がChatGPTを導入しています。 でも、活用が「もったいない」段階で 止まっているケースが多い。
パターン1:雑用係として使う。
「この文章を要約して」 「この英語を翻訳して」 「誤字脱字をチェックして」
これは便利だが、 アルバイトにできることをAIにやらせているだけ。 経営は何も変わらない。
パターン2:検索エンジンの代わりに使う。
「○○について教えて」 「○○のトレンドは?」
Google検索の延長。 回答の質は上がるかもしれないが、 やっていることは変わらない。
パターン3:アイデア出しの壁打ち相手として使う。
「新規事業のアイデアを10個出して」 「このサービスの改善点を挙げて」
これは少し進んでいるが、 出てきたアイデアを判断するのは結局人間。
3つとも共通しているのは、 既存の業務プロセスの中に ChatGPTを「足している」こと。
プロセス自体は変わっていない。
ここに、限界があります。
「前提にする」とはどういうことか
ChatGPTを経営の前提にする。 これは具体的に何を意味するか。
例を一つ。
従来のレポート作成プロセス。
部門がデータを集める → Excelで整理する → PowerPointに落とす → 上司が確認する → 修正する → 経営者に提出する。
この工程に2日かかっていた。
ChatGPTを「足す」場合。
部門がデータを集める → ChatGPTで分析させる → PowerPointに落とす → 上司が確認する → 修正する → 経営者に提出する。
分析の部分は速くなる。 でもプロセスは変わらない。
ChatGPTを「前提にする」場合。
データはダッシュボードから自動取得 → AIがレポートを自動生成 → 経営者は判断ポイントだけ確認する。
プロセスが消える。
2日かかっていたものが30分になる。
これが「前提にする」ということ。
単に速くなるのではなく、 やり方そのものが変わる。
経営者は情報収集や資料作成から解放され、 「判断」だけに集中できる。
判断だけに集中できる経営者は、 判断の質が上がる。
判断の質が上がれば、 経営の結果が変わる。
これがAIネイティブ化の構造です。
ChatGPTとClaude Codeの使い分け
AIを経営の前提にするとき、 一つのツールですべてをカバーする必要はない。
ChatGPTとClaude Codeは 得意分野が異なります。
ChatGPTが得意なこと。
会話形式の壁打ち。 文章の生成と編集。 多言語対応。 画像の生成と分析。
日常的なコミュニケーションの延長で 使えるのがChatGPTの強み。
Claude Codeが得意なこと。
長文の構造化された分析。 コードの生成と実行。 ファイル操作やシステム構築。
「こういうものがほしい」と伝えると、 実際に動くものをつくってくれる。
経営の文脈で言えば──
ChatGPTは「考える」のパートナー。 Claude Codeは「つくる」のパートナー。
アイデアを練るときはChatGPT。 それを形にするときはClaude Code。
この使い分けができると、 「思いついたこと」が 「動くもの」に変わるまでの距離が 劇的に縮まります。
経営者の頭の中にある構想が、 直接、形になる世界。
それがAIネイティブ化の 目指すところです。
ChatGPT活用の現在地を観察する
- 直近1週間のChatGPT利用を振り返り、何に使ったかリストアップする
- それぞれが「使う」と「前提にする」のどちらに当たるか分類する
- 「前提にする」に変えられそうな業務を一つ選ぶ
- その業務のプロセス自体をAI前提で設計し直してみる
ChatGPTは、 すでにあなたの手元にある。
問題は「使えているか」ではなく、 「前提にしているか」。
業務を足し算するのか。 業務を設計し直すのか。
この違いが、 経営の未来を分けます。
あなたのChatGPTは今、 ツールですか。 それとも前提ですか。